<vol.1>この言葉って、アウト?セーフ?
「女の子っぽいね」「男らしいね」
きっと誰もが言われた経験がある言葉だよね
みんなはこう言われた時どう思う?
褒め言葉として嬉しい人もいれば、
反対にいやだな〜と思う人もいるみたい。
わたしの友達はスカートを履いたとき
「今日女の子っぽいね!」って言われたのがちょっと、、って言ってた
(男性はどうなの?「男の子っぽいね」とか、「男らしいね」って言われることに対してどんな気持ちになるの?!これだけは、どうもわかることができないので、みんな〜たのむ〜!教えてくれ〜!!)
わたし自身は、使われる文脈によりけりで嬉しいと思うこともあれば、えっ、、と思うこともあるって感じ
たとえば、ちょっと怒ったのは
「女(の子)なんだから〜しなさい」という風に使われたときだなあ。
「女」だからしなければならないことはないし、相手が考える「女」という枠の押し付けじゃん!と思ったんだよね。
とは思いつつも、自分もけっこう使っちゃうんだよな〜、、。
いわゆる「女の子っぽい」服装をしてる人に
「あの、女の子っぽい感じの〜」と形容してしまったり。
その「枠」に代替する、みんなに伝わる表現を思いつかなくて、、
それからバイト先の既婚の先輩は、「奥さん」が嫌!って言ってたなあ。
「奥さん」という言葉そのものからも、「奥にいる状態」を想起させるけど
彼女は、「〇〇さんの奥さん」と呼ばれることで「わたし」としてではなく誰かの従属物になった感じで嫌だそうで、はーなるほどな、、と思ったのでした。
特にひとつ目の例では、ジェンダーを行動にひもづけて言葉にしているよね。
「料理男子」「カメラ女子」「イクメン」とかもそうなのかも。
一橋大の学生たちが作った本によると、
「『〇〇男子/〇〇女子』という呼称は、性別にかんする規範を前提にしており、それらを強化、再生産する働きがあるため、わたしたちはその使い方に慎重であるべきと考えます。」※1
だそう。
こんな風に、誰かを個人としてではなくある「カテゴリー」に押し込めてしまう言葉って、悪意はなく当たり前のように使っていても人によって受け取られ方が違う、ということがある。
これにちょっと当てはまるかなと思うのが、マイクロアグレッションという概念
誰かの不快な発言や無神経な質問で、発言者の悪意の有無にかかわらず相手が攻撃性を認識してしまうことを指すんだって。
(わたしも、卒論執筆中に初めて知りました)
これは同質性の高い社会では起こりにくいらしく、
欧米より人種的、宗教的、ジェンダー的に均質に見える日本では、ある言葉がその言葉通りに受け取られない、ということがあまりないのかも。
例えば、「静かだね」という言葉が「寡黙なアジア人」というステレオタイプを想起させることもあるそう。※2
日本で生まれ育ったわたしは、「そんなことで?!」と少し思ってしまう。
いや、気にしすぎたら逆に言葉狩りじゃん!って言われれば、確かにそれはその通りなのかも、、
だけど「そんなこと」が当たり前のように気をつけられている社会が、国は違えど身近にあるのだと思うと、全く他人事ではないよな〜って。
たとえそれが褒め言葉として発したものや、思ったことそのままの言葉だったとしても、「自分のことばが誰かを傷つけてしまうかもしれない」という想像力はいつでもどこでも必要だよね。
何気ないひとつの言葉が良くも悪くも誰かのきっかけになることは沢山あるし
少なくとも自分が言われて「嫌かもな」と思う言葉、そのほか「これってどうなんだろ、、?」って思う言葉は、使う前に一度立ち止まって考えてみるのがいいのかもね。
これ、めちゃくちゃ難しいことでもあるけどね、、。
他にもこういう言葉ってあるはずだけど
いつもそんなつもりで使ってないから、思い浮かべるのも難しい、、、!
みんなは、使っていてちょっとでも「これってアウト?セーフ?」って思ったり、言われてみて「ん、、?」と思ったことばはありますか?
※1 「〇〇男子/〇〇女子」って言い方したらダメ?」
佐藤文香、一橋大学社会学部佐藤文香ゼミ生一同『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみたーあなたがあなたらしくいられるための29問』(明石書店)2019, 18頁
※2 木村覚『笑いの哲学』(講談社)2020,33-36頁参照